鶫的台湾鉄路迷之旅 2008夏

2008年8月13日〜17日

2008年8月夏休み。4泊5日の日程で台湾に行ってきました。まるまるフリープランの格安ツアーへの参加です。

もともと海外の鉄道に興味はありましたが、いろいろな意味で敷居が高く、出張のついでにホテルの近くでコンデジ持ってブラブラと・・・が関の山でした。

台湾の鉄道は、いろいろな意味で日本に近いものがあり、親しみやすい物があります。また、鉄活動も特に制約なく出来るというありがたいお国柄(先進国でも制約のある国は珍しくありません)、言葉が分からなくても漢字で何とか意思疎通が出来るというのも海外旅行初心者にとって大きいですね。

で、何故いきなりの台湾行きになったかというと、今年の初めに「台湾鉄道の旅完全ガイド」なるムック本が発売されたこと、その本やネットの情報に暴風仮面氏が触発されその気になったこと、が理由でしょうか。で、その暴風仮面氏が行くに当って格安ツアー(格安ツアーでなくても基本的には2人参加で設定されているんですよね、だいたい)に参加するための頭数合わせに白羽の矢が立ってしまったというわけです。もともと興味はあったのと、お誘いを受けてからムック本を買ったりネットで現状を調べたりしていたら・・・「今のタイミングで行っておかなければ」と思うところもあり、一緒に行くこととしました。

出発前の大まかな予定

1日目〜成田から台北へ。この日は台北駅にある鉄道ショップ「台鉄本舗」で時刻表などを入手。

2日目〜集集線でのSL撮影

3日目〜台北近郊での列車撮影

4日目〜高雄駅駅撮り〜台東付近普快列車撮影

5日目〜帰国

まあ、実際には天気次第というのも含めて言ってみないと分からないというのが正直なところでしたが。

1日目(8/13)

成田からは14:15発のBR2197便で台湾の玄関口、桃園国際空港へ。

現地のガイドに連れられて、台北市内の両替などもできるお土産物屋へ。ツアーのパンフレットには両替の事書かれていなかったので、成田で両替してしまったのですが、レートが・・・だいぶ損をしてしまいましたorz

今回の宿は台北駅に程近い「老爺商務會館」でした。早朝深夜のMRT運転時間外でも台北駅にアプローチできる事を条件に選択したホテルです。

ホテルで一服した後、とりあえず台北駅方面に。台鉄本舗で時刻表を入手したり、近くの模型屋を覗いてみたり・・・そして、明日の為のバスのきっぷを購入したり・・・。このバスが曲者で、なかなか所望のバスが分からず、いくつものバス会社の窓口を渡り歩いてしまいました。

2日目(8/14)

本格的鉄活動1日目は夜中の午前2時過ぎに始まります。集集線のSL列車に余裕を持って間に合わせる為には始発の新幹線(台湾高鉄)を使っても間に合いません。そこで台湾では非常に発達している長距離バスを使用する事にしました。高速道路が発達している西部エリアの都市間を結ぶ路線ではいくつかの会社が24時間営業でバスを走らせています。で、前夜に切符を買おうとしたところ、その夜の便を運転している会社が分からない・・・時刻表が出ていなかったり、出ている会社は夜の便がなかったり・・・。いくつかある台北のバスターミナルの中で一番隅っこの方にある窓口に深夜便があるはずの会社が見付かりました、が肝心の台中行きのバスの時刻表がありません。分からなかったからと引き下がるわけにも行かないので、筆談で「3時発の便で台中まで」と意思表示したら何とかこちらの意思を汲み取ってもらえ、無事に切符を購入できました。

今回利用したのは阿羅哈(アロハ)客運です。この会社は豪華な接客設備をウリにしている会社です。片側1列の革張りの豪華シート「総統座椅」でゆったりと。といっても、台中までは約2時間ですが。

5時過ぎに台中のバスターミナル(車站)に到着。でも、鉄道の駅(火車站)はどこ?とりあえず、歩き始めてみましたがまったく分かりません。ウロウロしていると一台のタクシーが停まってくれたので、「台中站」と書いて示したら乗れといってくれたのでタクシーで台中駅に向かう事に。意外と離れていたので、道が分かっていても歩く距離ではなかったようです。

台中から集集線の分岐点二水駅までは区間車(普通列車)で移動です。まだ早めの時間だったので、途中の彰化駅で一旦降りてホームでウロウロと。側線には貨車が停まっていたので形式写真を撮ったりと、台湾に来たんだなという実感を感じ始めていました。

そろそろ二水に移動しようと次の列車を待っていると、向こうのホームに台北方面に行く自強号(1002次)が入線してきました。最初はボ〜ッと見ていたのですが、なんか10なんとかという数字が車体に・・・・!!!?現役引退したらしいと聞いていたEMU100じゃないですか!慌てて跨線橋を渡り、出発していく後姿をなんとか捉える事が出来ました。見られないと思っていた車両の走りを見られてちょっと感動です。

いきなりEMU100を見られた事で気分は上昇。二水駅に着くと奥の言ってみれば「機関支区」のようなところにCK124の姿が。出区の準備が進められているようです。台鉄では少し大きな駅に行くと必ずといっていいくらいに貨車の姿を見る事が出来ます。本来の貨物以外にも保線関係の車両も多いようで、ここ二水にも宿営車と呼ばれる貨車と客車が停められていました。貨物扱いをやっているように見えない駅に停められている貨車も、マクラギなどの輸送に使用されたりしているようでした。

駅窓口で集集線一日周遊券を購入後、先ずは最初の撮影予定地、二水〜源泉間の二水の陸橋まで移動します。まだ朝の8時頃とはいえ、暑いです。約1km強の道程を歩いてポイントに到着。このポイントの利点は集集線と同時に西部幹線も狙えるということです。SLまで一時間ほどありますが集集線の列車はありませんので、西部幹線の列車を撮影して待つことになります。SLまでの時間に、PP自強号、キョ(草冠に呂)光号、観光列車などを撮影。予定外だったのは、線路際の建物が建替えられていた事。参考にした写真では古いコンクリート製の建物があるのは判っていたのですが、それが立派な明るい色の建物に建替えられていました・・・画面に入らないようにするのはほぼ無理・・・。SLの時間が近付くと台湾の鉄路迷が一人撮影にやってきました。

CK124(3853次)は定刻より若干遅れて二水駅を出発。爆煙を上げての出発です。どこまで煙を出してきてくれるか冷や冷やしながら待っていましたが、薄くはなりましたが、充分に判別できる濃さの煙が出た状態で来てくれたので助かりました。ズームレンズを使って遠くから近くまで数カットを撮影したのですが、一番いいところを撮りそこなっているみたいで・・・。被写体がファインダー内に入ってから余計な事考えては駄目ですよね。

ここまでは暴風仮面氏と一緒でしたが、この後は単独行動となります。一往復目の返し(DL先頭 3854次)は集集線の有名撮影地の一つ、源泉〜濁水間の龍仔頭山バックのポイントへ移動します。約2km強の道程だったでしょうか?途中何度後悔した事かw途中日陰を見つけると一休みしながらとりあえず源泉駅へ。移動中に列車の通過音を聞き焦りましたが、駅の貼紙を見て納得、SL運転のために運休になった区間車のかわりの救済臨が運転されているとのこと。待合室で少し休憩してもう一がんばり。二水の陸橋を出発してから約一時間弱、無事にポイントに到着しました。写真で見る印象と異なり、周りには住宅や工場が多く、この撮影地の場所も、ベンチが置かれた休息所になっている事にちょっと驚き。でも、椅子に座って日陰で休めるのは非常に助かりました。

待つこと暫し・・・と、言いたいところですが、なかなか列車が来ません。その内に3854次が到着してから出発する二水からの定期列車(3809次)の方が先にやってきました。「まさか、濁水で折り返しになったとかないよな?」とか思いながら待っていると、濁水で交換に時変となった3854次は定刻より約30分遅れで無事に来てくれました。

暑い中再び源泉駅へ。途中にあった便利商店(普通は便利商店=コンビニなのですが、ココの店は典型的な田舎の駅前にあるようななんでも屋)で飲み物を補給。ようやく冷たい飲み物にありつけて生き返りました。

先に書いた救済臨の返しが先に来るはずだったのですが、3854次の遅れを受けて濁水での交換になったようで、二水からの定期列車3811次が先に来ました。ホーム先端で入線を撮り車内へ。久しぶりの冷房の心地よさといったら・・・し・あ・わ・せ♪このまま終点の車”土呈”まで乗車です。3両編成の車内は空いていましたが、次の濁水から大量の観光客が。車やバスでここから乗る人が多いようです。ここで先の救済臨と交換。タブレット交換も見られます。この先の各駅では乗降とも多く、終点まで満員状態でした。

SL撮影がなければ終点で少し観光しても良かったのですが、直ぐに折り返さないと間に合わなくなるのでホームで列車や駅舎の撮影をしただけで二水行の列車へ。集集線の中心駅、集集駅で下車します。もう一つ先の龍泉までいって有名観光スポットでもある「緑色隧道」で撮影するのも手だったのですが、集集駅至近に南国風の植物をバックに編成写真の撮れる場所があることが分かったのと、駅周辺を散策する時間が欲しかったためにこちらにしました。

駅前に展示されているSL(阿里山鉄道のシェイ)や戦車を見学した後、駅前の屋台で飲み物を確保して撮影地を目指して移動。事前にネットで見つけたポイントより駅に近いところでも撮れそうだったので、そこで挫ける事に。ここも木陰があったので、一休みしつつ待つことが出来ました。

午後便の往路3851次もやはり遅れ気味にやってきました。お昼を過ぎると雲が多くなり、日差しを遮る事が多くなってきていましたが、SLがやってきた時も雲がかかって・・・まあ、逆光だったので良かったのかもしれませんが。返しの列車は30分後、このまま同じ場所で待つことに。DLを先頭にやってきた3852次は日差しを浴びながらやってきてくれました。

撮影の後は駅周辺の観光を考えていたのですが、暑い中歩き回ってへばってしまい、駅付近の店を見て回る程度の観光になってしまいました。

帰りの列車を待っていると、怪しい空模様に。どんどんと空は暗くなり、雷鳴が轟き始めます。程なく雨が降り始めてしまいました。二水に到着したときも雨は降り続き露出もない状態だったので、当初は西部幹線の列車を少し撮ってから台中から新幹線で戻ろうと思っていたのを、二水駅にとまるキョ光号があったので、ちょっと時間は掛かりますが客車列車の旅を堪能する事としました。

ホームで待っていると、入線してきた列車の前側に藍色の荷物車(行李車)が連結されているではありませんか。しかもこの駅で荷物扱いしているし。これは乗るより撮りたい列車でした。彰化に到着する頃には日差しも回復し始めていました。ホームには今回の台湾行きで狙いたかった列車の一つ、行李列車4003次が停車中・・・途中で擦違うはずだったのですが、定時より遅れていたようです。今日は回送電機とキョ光号用客車が各1両連結されているという美味しい編成・・・当初の予定通りに撮影していれば・・・・悔しがっても手遅れですが。

若干の遅れで9時少し前に台北に到着。翌日以降に使う切符の一部を確保した後、MRTで一駅乗ってホテルへと帰りました。途中のコンビニでビールを買って(^-^)

3日目(8/15)

今日は台北近郊で一日中列車撮影の予定です。

先ずは東部幹線系の列車を撮影する為に瑞芳へ。駅北側の3線区間(1本はは廃線になった貨物線)で撮影を。早朝では光がまだ反対側に回っています。お昼近くの列車が良いようですね。ここでのメインは台北方面から来る列車ですが、反対側も撮影できるので(踏切も近いし)撮りこぼし無く撮影が出来ます。ただ・・・日陰が無いので地獄でした。出発前の予定では10時過ぎまで撮影しようと思っていたのですが、あまりの暑さと、もう一つ狙って見たくなったものがあったので9時頃には引き上げる事に。駅待合室で涼んでいると、電気機関車牽引の貨物列車が通過していきました。今回の目的の一つが貨物列車撮影だったのに、いきなりお見送りですorz。

早目に移動したのは、前日見たEMU100の自強号を撮影したいと思ったからです。時間に余裕が無かったので、事前に調べた中で撮影が可能そうな百福駅にいってみるも、対向式ホームに見えたのは貨物線にも月台(ホーム)があるというオチ。駅前後でも撮れそうに無かったので一駅戻って列車の終着駅となる七堵へ。どの月台に到着するか分からないので適当なところで待っていると一番端の線に到着・・・・撮りようがありません。

諦めて次のターゲット、4003次を撮影すべく八堵駅へ。ここで撮影したら直ぐに後続の列車に乗って先行し、もう一回捉える予定でした。が、時刻表を確認していたらいつの間にか列車が接近してきていました。事前に入手した時刻表より10分近く早い通過です。予想外の事態に対応できず、後撃ちだけ撮影するも露出が・・・。各駅での停車時間を利用して、汐科で一発撮影後、樹林でもう一発〜と考えていたのですが、時刻変更があるとどうなるか判らないと思い、確実に捉えるべく樹林に移動しました。12時20分頃樹林駅に到着。

元々樹林駅では暫く滞在して列車写真を撮る予定でした。というわけで、一旦改札を出て月台票(=入場券)を購入して再入場。到着した時に見つけた側線に停まっている貨物列車編成(EL先頭、但しパン下げ)を撮影しようと月台に降りると・・・DL牽引の別の貨物が到着していました。機関車次位の平車(長物車)には軍の車両が搭載されています。いわゆる「軍事列車」ではないと思いますが、こういう積荷の列車を撮りたかったので喜んでしまいました。

貨物列車の出発を撮影した後は月台先端方で列車撮影です。区間車(普通列車)の電車からキョ光号・自強号まで来る列車を拒まずに撮影します。途中、駅員が寄ってきたのでカメラを見せて「日本から写真撮りに来た」といったら「JAPAN?oh〜NIKON」。お互い通じない言葉でカメラの画像を見せたりしながら暫し話(?)をしました。こんな感じですので、”鉄”をするのにはいい環境ですね。

駅に着いた頃は晴れていた天気も、徐々に雲が増えてきてその内に雷鳴も聞こえてきました。今日は早々と一雨来そうです。

狙っていたのは第1月台を通る南行の列車だったのですが、1時半頃カメラを構えていた第2月台を北行の貨物列車が通過。EL重連(次無?)のセメント貨物でした。来ることはだいたい分かっていたので、反対の月台で待ち構えたかったのですが・・・。ところで、メインターゲットとでも言うべき4003次ですが、定時では1時前に来るはずだったのですが、1時半になってもまだ姿を現しません。と思ったら、貨物が見えなくなったら入れ替わるように接近してきました。「やっと来た〜」喜び勇んでカメラを構えます。七堵からは回送の機関車を連結しています。・・・・・・・が・・・・・・駅手前の渡り線を通り左の方へ・・・・。なんと、2b月台〜つまり自分のいる月台の外側の線に入線してくるではありませんか!?現地鉄のサイトの画像などでは第1月台aまたはbに入っていたので、想定外の事態です。

「なんてこったい」。当初の予定ではこの後来る復興号までは少なくともここで撮影する予定でした。ここで30分の差があると、この先の運行時分も予想が出来ません。でも、わざわざこっちのホームに入ったということは・・・・直ぐに出発する気配はありません。これはもう先行して撮れそうな駅を探すしかありません。慌てて改札を一旦出て再入場。でも、どこまでいくか分かりません。が、こういうときの強い味方が今回利用した悠遊カードです。台北周辺の台鉄(基隆〜中”土歴”)やMRTで使えるsuicaなどと同じ非接触型ICカード式乗車カードで、これを使うと割引価格で乗車できるというありがたいものです。エリアは広くありませんが、使わない手はありません。というわけで、中”土歴”までの間で見つけられる事に期待して区間車に乗車時ます。

出発時に4003次の方を見ると、なにやら調車(入換)作業をしています。これはこれで興味があったのですが、先行する時間的余裕があることを確認できたのですからいいでしょう。樹林の次の山佳駅はお手軽な撮影ポイントとして紹介される事があります。ただ、カーブした月台からの撮影なので長めの列車の綺麗な編成写真には向きません。なにより折からの雨が激しくなってきており、屋根のほとんど無い月台での撮影は流石に・・・。次の鶯歌駅、陶磁器で有名な街の玄関口です。ここは駅台北方に直線区間があり、ホームは2面4線で撮影できそうです。雨も小降りになってきており、降り立った月台に荷物扱いをする職員の方が列車を待っている様子。何とかなりそうです。というわけで、この後の行動がどうなるか分からないので一旦改札を出て再入場。

ここは貨物扱いのある駅です。駅構内には貨車が何両か留置されています。二水同様宿営車もいます。そちらにも気を取られながらホーム先端へ。程なくEL先頭の列車が・・・23次キョ光号でした。その続行列車として4003次もやってきました。樹林での調車は停まっていた貨物の牽引機を回送する為だったようで、機関車3両が先頭に立つ姿でやってきました。前日の4003次はキョ光号用客車が付いていたり、行李車の一両がキョ光号色だったりとカラフルで面白い編成でしたが、今日は藍色客車で統一された編成です。これはこれで美味しい編成です。無事に撮影終了。4003次を追いかけるように、当初樹林駅で撮影予定だった復興号もやってきました。この辺りの定期列車はほぼ定時の運転ですから、入換などの都合で時刻が変更になったのでしょう。

4003次を追いかけてみたいという気持ちもありましたが、今からでは相当南に行かないと追いつけそうにありません。となると慌てる必要はないので、停まっている貨車や宿営車をゆっくりと観察しましょう。

復興号を撮影してから約一時間、半分以上の時間はボ〜っとしていたような気がしますが、隣の桃園駅に移動します。ここは貨物線である林口線の接続駅です。一番最初の叩き台案ではこの線の沿線で貨物を撮ろうというのもあったのですが・・・。前日の暴風仮面氏の目撃情報から、出回っている時刻とはだいぶ違うダイヤで運行されているようだとのことでしたが、実際行ってみると、確かにダイヤ通りに列車は現れませんでした。構内には水泥斗車(セメントホッパ車)が留置されています。とりあえず形式写真でも、と思っていると、奥の方で調車機車(貨車入換機)が動き始め、篷車(有蓋車)や敞車(無蓋車)・守車(車掌車)が連ねられた編成を引き出し、手前に止まっていた水泥斗車編成に連結されました。この後、東部幹線方面に行く貨物列車の編成となるようです。

一旦駅を出て、駅前でバスウォッチ。構内のコンビニ(セブンイレブン)で食料調達。そして再び構内に入ると、いつの間にかDLが。水泥斗車の編成も1本増えています。どうやら林口線の貨物列車が到着したようです。世に出回っている時刻より30分ほど早い到着でした。分かっていればホームで待ち構えていたのですが・・・。とりあえず機回しをしていたので見ていたら、先に組成された編成の隣の線に入って止まりました。直ぐに動く気配はありません。

この後の予定として、台北でお買い物をして七堵に移動。EMU100を使用しているであろう自強号をバルブできれば・・・と考えていました。まだまだ撮影可能な時間ではありましたが、今日の撮影はこれで終りにしようと思います。というわけで、区間快車(快速列車)に乗って台北に移動します。次の停車駅、樹林。南向きの貨物列車が停車しているではありませんか。慌てて下車し、カメラを構えよう・・・・とする暇もなく、発車してしまいました。

「きっと鶯歌か桃園に停まっている」根拠のない自信に基づいて、再び反対方向の区間車に乗り込みます。鶯歌には姿無し。次の桃園には・・・・「いたっ!」。DL先頭の敞車編成です。日本では見られなくなって久しい好ましい小貨物列車です。ただ、残念ながらDLが解放されています。入換?と思ってみていると牽引してきた機関車は貨車を置いてそのまま出発していってしまいました。暫くすると、先に林口線からやってきたDLが動き出し、改めて今の編成の先頭に連結されました。理由は分かりませんが、ここで機関車変更(といっても同一形式ですが)のようです。十数分の停車で出発していきました。走り去っていく、守車を最後尾にした編成の美しさに惚れ惚れとした一瞬です。

この列車、ホームでは台湾の鉄路迷が一人撮影していました。撮影終了後、ベンチで休んでいると声を掛けてきました。残念ながら日本語の分かる方ではなかったので、まともな会話は出来ませんでしたが、お互いのデジカメの撮影画像を見せ合ったり、持って行ったムック本を見せたり。身振り手振りだけですが、なんとなくコミュニケーションが出来てしまうのは同じ趣味を持つものだからでしょうか。そのムック本のあるページで指を差し、「これこれ(意訳)」というので何かと思ったら、あるページの作者紹介の小さな写真を示して「これ私」と言っているよう・・・。写真を良く見たら確かに同じ人でした。こんなところで、こういう方にお会いできるとは感激でした。

ゆっくりしたいところですが、後の予定もありますのでさよならを言い台北に帰ります。

台北では台鉄本舗で自身のお土産用に台鉄車両のNゲージ鉄道模型を購入。その他、翌日用のきっぷの内、買いそびれていた分を追加購入。既に七堵には間に合いませんのでどうしようか考えて、隣の松山駅へ。月台のこの辺でいいかな?とセッティングしようと反対側の月台を見ると・・・・次に来る自強号はいいのですが、その後の目的の自強号はあろう事か外側の線に発着。どうやら撮影する縁は初日に使い果たしてしまっていたようです。それならば、ということで乗車を楽しむ事にします。一駅だけですが(^-^)

丸一日撮り鉄すれば、どれだけの成果を得られるか?と思っていたのですが、蓋を開けてみると振り回されっぱなしの一日でした。ちょっと欲求不満気味の部分も・・・。翌日の予定をキャンセルして台北付近をもう一日ウロウロしようか?とか真剣に考えたり。でも、明日の目的が最大のターゲットですので最初の予定通り台湾一周することとします。

今日もMRTに一駅乗って、コンビニでビールを買ってホテルへと(^-^)

4日目(8/16)

今日は鉄道で台湾一周です。

まずは台湾高鐵(台湾の新幹線)を使って高雄を目指します。土曜朝一の速達タイプの列車。日本の感覚だとそれなりに混みそうなのですが、あちらの列車はガラガラです。時短効果が大きいのは確かですが、いまいち受け入れられていないのかもしれません。

乗った印象は、日本の新幹線そのものですね(当たり前)。

約1時間40分で高雄の手前、左營に到着です。この先、高雄までは現在工事中です。高雄駅は現在改良工事の真っ最中。高雄まで開通する頃には駅の様相は一変しているのでしょうね。

左營から高雄までは台鉄かMRTでの移動となります。で、迷わず台鉄を選択。台鉄の接続駅は新左營となります。左營は隣の駅、紛らわしいですね。

高雄には約3時間の滞在予定です。一旦改札を出て、駅前へ。お約束のバスウォッチです。一見古そうなバスがやってくるのですが、側面に書かれた「出廠年」をみると古いといっても1990年代です。リベットゴツゴツな車体でもそんなに古くはないようです。キリがないので、数台撮影したところで引き上げます。肝心の列車の方を撮り逃したのでは洒落になりませんから。

月台票を購入し、第2月台へ。第1月台に4004次(4003次の反対方向の列車)が入線するのと、第1〜第2の間の中線に貨物列車が到着する事が分かっていたからです。ホーム端付近に行くと直ぐに4004次の車両が回送されてきました。牽引は集集線のSL列車に連結されていたのと同じDHL100です。この機関車、DD16ベースの日本製の機関車です。

第1月台に据付けられた4004次の編成の車両(行李車と行李代用車)を一両ずつ撮影していると、貨物列車が逆向きのDL牽引で入線してきました。高雄臨港線から南廻線への貨物です。編成両端に守車を連結、罐車(タンク車)と石”石査”車(バラストホッパ車)で組成された編成です。守車にはちゃんと人が乗っています。こういうちょっとした光景がうれしいんですよね。

貨物列車が到着してから10分と経ず、もう一本の列車が到着しました。DL+篷車+客車2両という編成。高雄の車両工場への工員輸送列車の返しのようです。DLデッキには誘導員が乗っていますので入換扱いなのでしょうか?工員輸送用の客車を切り離すと直ぐにDLと篷車1両は走り去っていきました。

今回高雄駅で見られた貨物列車はこれだけでした。土曜日だったからかもしれませんが、11時台にもあるらしかったのですが・・・。

だからといってヒマだったわけではありません。自強号やキョ光号、復興号の客車を使用した区間車などお楽しみはいっぱい。南廻線に直通するキョ光号はここでELからDLにバトンタッチします。その際、サービス電源用の電源車も連結します。そのため、駅構内には電源車が待機していて、出番が来るとエンジン始動、DLのお出迎えを受けます。こんな光景も見ていて楽しいもの。一時ホームのベンチでぐったりとしていた時間もありますが、第1月台〜第4月台を行ったり来たり。でも、思っていたほどにはいい写真にならなかったのが残念。天気がよすぎで影がくっきりと出てしまったり、電源車が邪魔だったり・・・。

11時半頃の観光列車の発車を撮ったところで、一旦改札を出ます。これから乗る自強号車内で食べるお昼を入手する為です。今回、今まで購入する機会に恵まれなかった駅弁”台鐵弁当”を購入します。12時5分、台東行の自強号はほぼ定刻に出発しました。座席はほぼ埋まっているようです。指定された席は窓側でしたが山側なのがちょっと残念。それでも、車窓から見える見慣れぬ南国の景色は見ていて飽きません。また、主だった各駅には貨車や客車がゴロゴロと。先のダイヤ改正で引退した冷気普快車に使用していたと思われる復興号型の客車もまとまって留置されていました。

途中の”木方”寮ではこの後乗る予定の藍色客車(日本で言うところの旧型客車)の編成が待機しているのが見えました。4両編成中3両が日本製の客車といううれしい編成でした。

終点台東の一つ手前の停車駅、知本で下車します。台東の駅での駅撮りで済ませようと最初の頃は思っていたのですが、やっぱり折角なら沿線で撮りたい&藍色客車に乗っておきたい・・・と、直前になって決めました。駅至近の沿線で撮影できるのか?これについては賭けの部分が大きかったのですが、グーグルマップでここ知本と隣の大麻里を見比べて、プラス駅の情報を考慮して知本駅で下車する事に。当たりをつけていた場所を目指します。

あわよくば手前のこの区間で・・・と、思っていた場所は柵があって撮影不可。予定していた踏切まで行って見ます。被り付きになってしまう+信号機が入ってしまうというのはありましたが、充分撮影可能な場所で一安心。一つ不満を言うと、日陰が少ない。電柱の細い影に身を潜めて列車を待つことに(^-^;

が、時間になっても列車は来ません。最初に来るのは台北からここ知本までくる自強号のはずです。定刻から15分ほど待つと、ようやく踏切が鳴り始めました。でも、来たのは自強号の次に来るはずだったキョ光号です。「東部幹線、遅れているのか?」ちょっと心配です。と、思ったら、数分後には自強号もやってきました。ここでの撮影のメインとなる藍色客車編成による普快車は定刻ならば後20分ほど後です。知本着の自強号は車両整備の為、台東に戻るはずです。時間的には普快車と次の駅で交換も可能なので、一旦駅方面に戻り駅構内を見渡せる場所に行って見ます。!!いつの間にか構内に貨物列車の姿が!!編成を見ると、高雄で出発を見送った列車です。途中で煤斗車(石炭車)が増結され、だいぶ長い編成になっています。貨物列車はいつ出発するのか分かりませんが、期待が膨らみます。

自強号や貨物列車は動く気配がないので、元のポイントに戻ります。そしてほぼ定刻、待ちに待った藍色客車の普快車がやってきました。う〜〜ん、やっぱりこういう客車編成はいいですねえ〜。興奮しながら夢中でシャッターを切りました。

多分、直ぐに自強号が出てくるだろうと予想し、駅寄りに場所を移動。直ぐに出てきました。けど、もうどうでもいいや(笑)

次は貨物列車が動き出すのを待つばかり。運が悪いと自分が乗る列車が出てから動き出す可能性もありますから、「早く動いてくれ〜」と祈りながら待つことに。でも、心配は要りませんでした。閉塞が空いたら直ぐに貨物も出発です。それなりの編成になった列車ですので、出発シーンも迫力がありました。守車を最後に従えた姿を後撃ちで撮影しましたが、撮影画像をみると守車に乗っている職員に睨まれているような・・・(物好きがいるなと見ていただけでしょうが)。

台東行の普快車の時間まで小一時間ほどあります。駅構内の売店で冷たい飲み物を入手して、待合室のベンチでダラ〜ッとして時間を過ごします。ある意味贅沢な時間ですね。暫くすると、タクシーやバス・送迎車に乗った客が集まってきます。この駅はこのエリアで有名な知本温泉の玄関口となる駅でした。集まってきた客の大半は高雄行の自強号に乗るようです。

列車の時間が近付き、月台に出ます。ここの駅では一つの月台を使い、右側通行となっているようです。ホーム先端を見ると、入線を狙うことが出来そうです。というわけで、月台先端で入線を撮影。停車シーンを後から撮影し乗り込みます。車内は噂通りに地元客よりこの客車目当ての客がほとんどのようです。折角ですので窓を全開にして風を楽しむ事とします。台湾のDLはエンジン音が五月蝿い、と聞いていましたが、4両目に乗っていてもエンジン音が大きいです。乗り心地は静かでいいですね。乗車時間15分ほどで終わってしまうのがもったいない。次に来る時は全区間乗ってみたいですね。でも、一日2往復したないので撮影もしたいし、悩みどころです。

台東駅では運良く一番端っこに停まるとか隣に別の列車が停まっているということなく、隣の月台から編成写真が撮れそうです。というわけで、隣の月台に行って見ると・・・・牽引機はどこ?何で後に機関車が??やる事が素早いです。牽引機は既に引き上げてしまい、客車の入換用機がすでに連結されていました。そして、カメラをゆっくり用意する間もなく動き出してしまいました。客車の形式写真を撮りたかったのですが・・・・残念です。

この駅で撮りたかったのはもう一つの普快車、DR2700です。かつては西部幹線のエースとして活躍していた車両ですが、冷房装置がなかった事もあって台東エリアで余生を過ごす身となっています。でも、人気は高い車両で、日本からわざわざ見に行く人も多いようです。こちらは残念ながら隣の線に、この列車より後に出発となるキョ光号が停車しており、隣の月台から撮影というわけにはいきませんでした。というわけで、車内の観察をしつつ出発時間を待ち、月台先端で出発していくシーンを後打ちしました。

台北への帰りは自強号で、と思っていたのですが、14日の夜に購入しようとしたら満席。無座(座席指定無し=立ち席特急券のような物ですが、空席があれば座っても構わない)で購入するという手もあったのですが、5時間近くも乗るのはちょっと、ねえ。というわけで仕方なくその直ぐ後に出るキョ光号を確保。この列車は花蓮行なので、花蓮から先は自強号に乗り継ぎます。台北に到着するのは午前様です。

台東駅では改札を出なかったので食料調達できませんでした。13日に乗ったキョ光号では車内販売があったので期待していたのですが、来ません。花蓮の乗換時間は僅かなので改札を出る事は出来ず、自強号でも車販無し。ちょっとひもじい思いをしながらの帰路となりました。

MRTは0時までの営業と聞いていたので、てくてくと歩いて帰ったのですが、なんか0時半頃になっても動いていたみたいですが・・・?で、今日もやっぱりビール(と、腹ごしらえ用のおにぎり)買ってホテルへと。

5日目(8/17)

今日は帰国日。お迎えは10時半頃なので朝一から動けば少しは撮影も出来るのですが、疲れもあって目覚ましは掛けずにゆっくりと。といっても7時頃には目が覚めましたが。

ホテルは朝食付だったのですが、サービスが始まる朝7時には既に車中の人になる日々を過ごしていたので一度も食べる機会がありませんでした。最後の日くらいは食べなければもったいない。まあ、メニューは典型的なホテルの朝食メニューでしたが。

財布の中を見ると、両替したNT$がまだそれなりに残っています。お土産も買いたいし台北市内のバスも撮りたかったので、約一時間ほどですが台北駅周辺を回ってきました。台鉄本舗では、先に買ったELに牽かせる貨車を数両購入。客車は迷った末買わなかったのですが、やっぱり買っておけばよかったと後になって後悔しています。

今回往復に使った航空会社はエバー航空でしたが、帰りの飛行機は「ハローキティジェット」でした。機内に入るとキティちゃんと仲間たちが踊ってお出迎え(モニター内でですが)。機内食も専用の容器に入っていたり、デザートが一品多かったり。これはこれで面白かったですね。

成田では混雑もなくスムーズに出てくる事が出来、一本早い成田エクスプレスに乗る事が出来ました。これで今日の内に家に辿り着けます。

 

おわりに

事前の天気予報では雨模様のような予報が出ていたのですが、基本的には5日間とも晴れてくれ非常に助かりました。まあ、曇ってくれた方が良かったかな?と思うところもありはしますが。

前回台湾に行ったのは4年前のことになります。この時は出張だったので、ゆっくり鉄をするというわけには行きませんでした。それでも時間を見つけて線路際に行き、運良く藍色客車の編成の走っている姿を見ることが出来ました。いずれはちゃんと鉄目的で行きたいと思ってはいたのですが・・・。

今回、暴風仮面氏に誘われなければ、改めて台湾の鉄道の現状を気にする事もなかったでしょうし、そうなると、一度はちゃんと撮影したり乗ってみたかった藍色客車も気が付いたときには引退していた、なんてことになっていたと思います。というわけで、誘ってくれた暴風仮面氏には感謝です。

でも、「次はいつ行く?」と真剣に考えてしまっている状況は果たしていいのか悪いのか・・・とりあえず、「アレとアレは押さえに行きたい」とか考えたり(^-^;

ところで、これからの台湾鉄路の変化ですが、向こうの鉄道情報サイト等を見ていると、数年以内に新型電車(通勤用)と機関車、自強号用振子気動車の増備が計画されているようです。また、花東線(東部幹線 花蓮〜台東)の電化高速化工事も数年で完成させると発表されています。昔の日本のような鉄道風景が過去の物になるのもそう遠くないかもしれません。

「海外の鉄道には興味が無い。」という人がよくいますが、騙されたと思って一度行って見てください。しっかり嵌って帰ってくる事請け合いですよ(笑)

<完>

※画像追加予定あり※

 

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